自分が休職することになったら保育園は退園になるのかしら?
基本的に退園は不要ですよ。入園要件を確認してみてください
仕事をしていると、誰でも突然、病気が襲ってくることはありますよね。入院が必要になった、手術を受けることになり退院後も自宅療養が必要、けがや骨折をした。など
そのような場合、職場の制度によって「休職」という扱いになり、職場に籍を置き続けることはできます。ただ保育園は働いてることが条件です。そのため、
- 保育園は退院しないといけないの?
- もし退院させたら、また保活しなければならないの?
と悩みますよね。そうなると、
- そこまで大変ならもうしばらく無理して働いたほうがいいかしら?
- ストレスがたまると、子供に当たってしまいそう。
という心配も頭をよぎります。
先に結論をいうと、休職中でも原則として保育園に子供を通わせることは可能です。自治体の入園要件を確認していただくと「両親が働いていること」以外に「求職中、病気」などを入園要件にしている場合が多くあります。
そこでこの記事では休職時の保育園、そして育児の対応方法について解説します。
もし働けなくなると、しっかりと休んで療養する必要がありますが、そうもいってられなくなる状況は避けたいですよね。この記事がみなさんの不安の解消につながればと思います。
ワーママはうつ病で休職も珍しくはない
時代の変化に伴い、出産後に育児と仕事を両立するワーママは多くなりました。それと同時に核家族化も進むなど環境の変化もありました。それに伴い、ワーママも多くの不安やストレスを抱えるようになりました。
子育てに対する不安
初めての子育てはその接し方に悩むことがあります。例えば、なかなか泣き止んでくれない「どんな風に接したらおとなしくなってくれるんだろう」と戸惑うことがあります。
また、子供は突発的なトラブルが多いので、その場その場で対応を迫られたりします。例えば、保育園の送り迎えの時間の直前に、子供が手を洗おうとして失敗して服をずぶぬれにしてしまった場合「残り少ない時間でどうしようか?」と思います。
しかし、現代は核家族であるため相談できる相手がいなかったりすることがあります。それで、うまくいかないと自分を責めてしまうこともあるでしょう。また、とにかく子供のことが大事だと思い、美容や趣味など自分のことは後回しになってしまいがちになります。
仕事面の人間関係のストレス
仕事はうまく回っている時はやりがいを感じますが、ちょっと歯車がずれたり、いざこざに巻き込まれると、自分の力ではどうにでもできないことなので、それがストレスに感じたりします。
またどの職場でも、必ず忙しくなる時期があります。例えば年度末など。そうなると「今は大変だけどみんなで一丸になって頑張ろう」という雰囲気になりますが、その状況で自分だけ「子供の迎えがあるので帰ります」というのは、言いづらさを感じたりします。
上司や同僚などから直接、苦情をいわれることがなかったとしても、何か重圧のようなものを感じる場合もあります。自分の中で「職場のみんなは頑張っているんだから迷惑をかけれない」という気持ちがあると「家庭こと」という自分の事情を優先することに何か抵抗感を感じたりします。
頑張りすぎなくて大丈夫です
育児で不安を抱え、仕事面でもストレスがあると辛くなってきます。しかし、SNSで「働くママは、前向きにがんばっている」「ママは辛くてもそれなりにやっていってる」という状況を知ると、そこが自分に大きな精神的な負担につながり、うつ病になってしまう場合もあります。
しかし「うつ病は心の風邪」と呼ばれるものであり、誰でもかかる可能性はあるものです。休んでも大丈夫です。休憩は誰もが必要なものです。心身に不調や異変を感じた場合は、休職も視野に入れた方がいいでしょう。
休職は「会社に籍を置きながら仕事を休むこと」です
法律的な制度を抑えていきながら「休職」について説明していきます。会社に勤めていて怪我や病気になった場合、休職することになります。
労災が認められる場合は、治療が完了するまでの、病院の受診費用および収入の6割は保証されますが、そうではない場合は、有給を使うことになります。
有給は労働基準法で、勤務年数によって取得できる日数が定められています。例えば、フルタイムで働いている場合、6年半以上勤務していると、年次有給休暇は20日使うことができます。有給は使用せずに2年以上経過すると時効となります。これは2年間分の有給は使用できるという意味ですので、例えば7年半以上勤務している場合、有給は40日付与されます。(引用元:厚生労働省-労働基準情報 FAQ)
そして、有給は会社の勤務日に適用されますので、会社の既定の公休+40日となり、約2か月連続して休むことができます。
有給がなくなったら無給となります。ただし、会社で独自に欠勤保証(会社を休んでいて給与がもらえる制度)が定められている場合は、そちらを使用することになります。詳しくは勤務先の就業規則を確認してください。
無給となっても、会社に籍を置いた状態が一定期間認められます。この期間は1年~数年など、まちまちですので勤務先の就業規則を確認してください。この期間、会社は従業員を雇用している場合に支払う必要がある社会保険料を負担しつづけてくれます。
無給となった場合、傷病手当を受けることができます。これにより収入の6割程度が保証されます。加入している健康保険によりますが、健康保険協会の場合は全国健康保険協会-病気やケガで会社を休んだときに詳細が案内されています。
育児中のママは「自分が踏ん張らないと」という気持ちから、仕事も育児も休んじゃいけないと考えてしまうと思います。そこでさらに心を病んでしまうことにつながる場合もあると思います。必要な際は「休職」という選択肢ある、と考えてみた方がいいと思います。
休職中も保育園は利用できる
まず、この記事で想定するのは以下の状況です。
- 横浜市在住
- 夫婦共働き(フルタイム)
- 3人家族(夫婦、2歳児)
- 認可保育園
この状況で、夫婦のうちどちらかが休職となった場合ですが、休職期間中も子どもを保育園に預け続けることは可能です。
「横浜市」の「保育の必要性の認定要件」を確認してみると、「会社や自宅を問わず、月64時間以上働いているとき」の要件を外れることになった場合でも「病気・けがや障害のため保育が困難なとき」という要件があり、こちらに該当することになれば問題ありません。
詳細な認定基準は 横浜市-保育の必要性の認定について をご覧になられてください。
また「有給消化などは正社員として働いている状態」とみなすことができることから「会社に籍がある状況」ならば、口頭で状況を伝えるだけで、診断書の提出などは不要という場合もあるようです。
「保育の必要性の認定」は自治体の定めに従うことになっていますが、「保育の必要性の認定」は全国的にほぼ同じ内容となっています。もし調べたい場合は同じ要領で、お住いの地域のホームページを探していただくとよろしいかと思います。
「休職中は働いていないから」という不安があるかもしれませんが、このようなケースがあることは保育園も把握しておりますので、保育園に直接問い合わせしていただくと、確実な返答が得られます。
休職ではなく、もし退職してしまった場合、病気が治ったタイミングで、「保育の必要性の認定要件」から外れてしまう可能性がありますので注意が必要です。ただしこの場合「仕事を探しているとき(求職中)」の要件を満たす場合は問題ありません。
休職中に子供との向き合うときは無理しないで
休職中は家にいることが多いため、子供と向き合う時間が多くなります。「少し横になっていたい、、、」と思っても、子供はお構いなしに「ママ~、これみて~」と言ってきます。しかし、しっかりと子供と向き合わなければならない、と思う必要はありません。休職は、身体を回復させ、心を安定させるのが目的の期間です。
ゆっくりしておきたいときは家にいる方がいいですが、いろいろ考えこんで、不安な気持ちになってしまう場合は、外に出てみるのをおすすめします。
まずは、すっぴんに帽子を被って、近所をぶらぶら散歩してみるといいでしょう。ちょっと遠出できるときは、ショッピングモールやカフェなどもあります。ほんの少しでもいいので、外の空気にふれてみるだけで、気分はかなり変わります。
毎日ちょっとだけの時間でいいので、必ず「育児のことを考えない、自分の時間」を持つように意識してみるといいかもしれません。
休職中に「ずるい」といわれても気にしないで
外見から病気とわかりにくい場合、まわりのママたちに「働いてないのにずるいと思われるのでは?」と不安に感じるかもしれません。また「うちは保育園に入れなかったのに」と妬みの言葉を言われると「待機児童の問題もあるのに、働いてない自分が子供を入園させてもいいのか」とためらいを感じることもあるかもしれません。しかし、周囲から「ずるい」といわれても気にしないで大丈夫です。
なぜ「ずるい」と言われてしまうのか?
なぜ働いていなくて保育園に通わせていると「ずるい」といわれてしまうのか?ですが、それは嫉妬によるものです。内心の気持ちは以下のようなものです。
- 私だって本当は休みたい
- しっかり休憩できて羨ましい
- 私の職場は人員不足なのに
また、誰しも心に余裕がない時ほど、攻撃的になってしまうものです。そこから転じて「あなたが受けてる保証制度を支えているのは、働いている私たちだ」という発言につながるかもしれません。
しかし、社会的な保証の制度は、誰もが必ずその恩恵をうけているわけで、一部の人が不利益にならないように考慮しながら制度が作られているものです。また、制度を利用している方がこうしないといけないという法律もありません。
このように「ずるい」という発言は「純粋に嫉妬の気持ちを発言しているだけ」です。あなたは実際に誰かに不利益を与えているわけではありません。なので、直接「ずるい」といわれたとしてもためらう必要はありませんし、無理して職場復帰する必要もありません。
実際に「ずるい」といわれたら?
ただ、保育園のママ同士の人付き合いもありますし、保育園の他の子どもからは、他のママと迎えの時間が違うことを言われると、それが悪意のない何気ない一言であったとしても、それがためらいにつながる場合もあると思います。
しかし、病気や療養中の保育園利用は、国で決められている制度です。自宅で保育できない方の為に保育園があるのです。まず、ママが元気にならなくては子供を育てることはできないと思います。なので、ここは割り切って療養に専念しましょう。
また、ご自身の病気について、周囲に対して無理に説明する必要はありません。また「ずるい」という人がいたとしても、ごく一部の声でしかありませんのでその人の声に従う必要もありません。無理して病気を悪化させたとしても、評価を受けることはありませんので、「ずるい」という人の声は気にしないのが一番です。
保育園の職員さんに相談してみて
保育園のママから「ずるい」といわれるのが辛い場合は、保育園の職員さんに相談してみるのも1つの方法と思います。保育園の職員との会話では何気に「お仕事は?」「仕事大変でしょう?」など「働いていること」を前提に話しかけられることがあると、その対応に戸惑うかもしれません。
しかし、働いている方が多いため、そういう声掛けになっているだけで、制度的には必ずしも働いていないといけないわけではありません。保育園は国の制度のもとで運営しているものでありますので、事情は察してくれます。ちょっと時間が取れそうなときに話してみるのもいいでしょう。
保育園のママさんとは距離をおいても大丈夫
保育園の同じクラスのママさんとお付き合いすることがあると思います。LINEを交換しあい、集まったりすると思います。
そこで働いていないことを言われることがなかったとしても、ワーキングマザーで、仕事と育児を両立してる姿の方が多くいることを見ると、どうしてもその姿と自分を比べてしまい、自分が情けない姿に思えてしまうこともあるかもしれません。
そこでもし、自分がその集まりにいることが辛いと思った場合は、そのグループとは距離をおいても大丈夫です。そもそも、保育園は横の繋がりはあまり深くないとのころです。
気の合う人との付き合いを意識していて問題ありません。
まとめ
今回は「休職したら保育園は退園になるの?」という疑問に対する答えをまとめてみました。休職によって保育園は退園になりませんので、周囲に対する「申し訳ない」という気持ちは割り切って休職中は療養に専念しましょう。
休職中の育児は「家に居るからには子供を見ないといけない」と思う必要はありません。周囲から「家に居るのなら子供は見ていればいいのに」ということを言われたりするかもしれませんが、そもそも休職は治療に専念する目的のものです。
「働いてない自分は申し訳ない」という気持ちが沸くかもしれませんが、もし、ここで無理をしてしまうと、治療が長引き、それに伴い、子どもへ当たってしまうことにつながってしまいかねません。
保育園は継続し、日中は休むことに専念しましょう。
また、無理に働こうとするのではなく「働き方について見直すきっかけ」が得られたと考えてみてもいいかもしれません。
休職に専念していると、働いているときとは、違う視点をもつことができますので、そこで新たな気づきなどが得られると思います。