【解説】肌色の言い換えは3つ!うすだいだい、ベージュ、ペールオレンジ

「肌色」という言葉は使わなくなったの?

最近、肌色は別な言葉に言い換えられるようになりましたね。

近年「肌色」という言葉は使われなくなりました。これまでは、クレヨンや色鉛筆、折り紙などでは「肌色」がありましたし、ストッキングなどのような衣類でも色を示す意味で「肌色」がありました。

しかし、この「肌色」は使われなくなり、代わりに以下の3つの言葉に言い換えられるようになりました。

  • うすだいだい
  • ベージュ
  • ペールオレンジ

今回は、肌色の言い換えの理由、経緯などについて解説したいと思います。

目次

肌色の言い換えは3つ

うすだいだい

ミカン科の果物であるダイダイの色を薄くした色です。オレンジにちょっと赤と黄色を混ぜた感じで、鮮やかな印象を与えます。肌色とほぼ同じ色で、日本人の肌の色に近い印象を与えます。

ベージュ

ベージュとは、フランス語で「明るい黄色や茶色」という意味の色です。肌色よりも黄色や茶色が強く出た色で、心が落ち着き、穏やかな気持ちになれるカラーです。衣類などファッションでは、以前からこの呼び名が使われているので
聞いたことがある方も多くいらっしゃるでしょう。

ペールオレンジ

ペールオレンジとは英語で「薄いオレンジ色」という意味です。ペールオレンジは、赤味が少なく、軽く柔らかな印象を与えます。

ぺんてるのくれよんではこの呼び名が採用されています。他には、ヘアカラーで使われることがあります。

いつから肌色を言い換えた?

1999年にぺんてるが「肌色」から「ペールオレンジ」言い換えを発表しました。そして、2000年にトンボ鉛筆、サクラクレパス、三菱鉛筆の3社が、統一的に「はだいろ」を「うすだいだい」に変更しました。

この流れを受け、2006年頃には全てのクレヨンから「肌色」がなくなりました

「肌色」は多くの日本人の肌の色をイメージして名付けられたものですが、人種や個人差、日焼けの度合いによって肌の色は異なるのに対して、特定の色を「肌色」とするのはおかしい、という考えが広まったためです。

いつから「肌色」が使われていた?

江戸時代以前、この色は「宍色(ししいろ)」と呼ばれていました。宍とは「食用されていた動物の肉」のことです。つまり「食べる動物の肉の色」がこの色に近かったため「宍色(ししいろ)」と呼ばれていました。

そこから、一般的に仏教が広まることになりましたが、徳川綱吉は、仏教の殺生禁断の教えに従い「生類憐れみの令」を出しました。

そこから代わりの呼び名を考え「肌色」が広まったといわれています。

さらに、大正、昭和時代になり、子どもが学校で絵具や色鉛筆で先生や友達の顔を描くときに塗る色として「肌色」が、日本人にとってなじみのある色になっていきました。

まとめ

肌色は、以下の3つの言葉に言い換えられるようになりました。

  • うすだいだい
  • ベージュ
  • ペールオレンジ

「肌色」の呼び名は、クレヨン、色鉛筆、折り紙、など、多くの方が小さいころから触れてきた言葉だと思います。

ただ、この「肌色」の呼び名は、日本人の肌の色をイメージした色であって、世界には様々な肌の色があります。そのため「肌」を「色」の呼び名として定義するということは、人の肌の色へ固定観念を与え、そこから差別につながる可能性があるということで、近年では言い換えられるようになりました。

近年、日本は、GAFAMのサービス活用、外国人労働者の受け入れなど、国際化の流れが増してます。日本も国際的な位置づけになってきていることから、コミュニケーションも国際的な視点で行っていく必要があると思います。

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